[tomoyo-users 785] TOMOYO 1.8.1 について

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Tetsuo Handa from-****@I-lov*****
2011年 3月 28日 (月) 22:26:09 JST


TOMOYO 1.8.1 を4月1日にリリースする予定です。

TOMOYO 2.2 は TOMOYO 1.6.x をベースとしています。 TOMOYO 2.3 は TOMOYO 1.7.x を
ベースとしています。 TOMOYO 2.4 は TOMOYO 1.8.x をベースにすることでしょう。

TOMOYO 1.8.1 では、幾つかの不具合が修正されたほか、 Android 環境向けの新機能が
追加されました。

最近、「 Android 端末を root 化する」に対抗する形で「 Android 端末を root 化
させないようにする」という話が出てきているようです。今までは /sbin/ccs-init を
実行してポリシーを読み込ませるようにする必要がありましたが、起動シーケンスの
早い段階ではポリシーファイルを格納しているデバイスにアクセスできないという
問題がありました。これでは、起動シーケンスの途中でハイジャックされて、保護を
無効化するカーネルモジュールをロードされてしまうなどの可能性があります。
そのため、ポリシーファイルをカーネル内に埋め込むことにより、 /sbin/ccs-init を
実行することなく保護を有効化(強制モードを開始)するというオプションをサポート
しました。

チュートリアルページ( http://tomoyo.sourceforge.jp/1.8-tmp/android-arm.html )
もこのオプションを使う形で書き直されました。もちろん、最初から強制モードを
使っていても、カーネル内部のセキュリティホールによって保護が無効化されてしまう
ことが起こらないことは保証できません。しかし、ある程度は Android 端末を
root 化させないための手助けにはなるでしょう。

また、ポリシーファイルをカーネル内に埋め込むことによるカーネルのファイル
サイズの増加を抑えるために、集約されたポリシーフォーマットをサポートするように
しました。ファイルおよびネットワークに関するアクセス許可は、同じ引数を持つ
複数のアクセス許可を1個に集約できます。例えば、

  file read /path/to/file
  file write /path/to/file
  file execute /path/to/file

というアクセス許可は

  file read/write/execute /path/to/file

のように集約できます。

今までは、ガベージコレクタは誰かが /proc/ccs/ を参照している間はメモリ解放を
行わないようになっていました。しかし、この手法はメインラインコミュニティで
却下されてしまいました。そこで、 /proc/ccs/ を参照している間でもメモリ解放を
行うようにガベージコレクタを修正しました。結果として、従来よりも早くメモリ解放
処理を行えるようになりました。



ところで、カーネル 2.6.38.2 がリリースされ、 pivot_root() でデッドロックする
不具合も修正されました。カーネル 2.6.38 へのアップグレードを始めても大丈夫です。

それから、 TOMOYO 1.6.x 用のバイナリパッケージの提供は今月末で終了します。
TOMOYO 1.6.x を使っている場合、今後は手作業でバイナリパッケージを作成する必要が
ありますのでご了承ください。




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