[JM:02448] Re: 提案:セクション対訳表の変更

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Akihiro Motoki amoto****@gmail*****
2021年 5月 30日 (日) 10:21:09 JST


元木です。

古いメールから順に見ています。今日コメントするのはこれだけかな。
誰も返事を書いていませんね。まだ3日前のメールなので仕方ないかもしれませんが。

On Thu, May 27, 2021 at 11:27 AM matsuand <michio_matsu****@yahoo*****> wrote:
>
> matsuand です。
>
> # [JM:02426] からの続きとして
>
> Linux JM ガイド>翻訳の指針>セクション名について、
> http://linuxjm.osdn.jp/guide/translation_guideline.html#id7
> に関する協議提案です。
>
> 以下、選定した用語(原語とその対訳)と、その提案を 5 項に
> 分けて列記します。これに対する是非をあげてください。
>
>
> 1. ARGUMENTS 引き数
>
> [JM:02417] 以降、ある程度協議が進んているため詳述省略。
>
> 提案:
> "ARGUMENTS" の対訳は「引き数」でなく「引数」とする。

すでに議論されているので、 +1 しておきます。

>
>
> 2. EXIT CODES 返り値
>
> この "EXIT CODES" という単語だけ見ると訳語が「終了コード」
> になると思います。いろいろ言葉の意義を分析することも必要かも
> しれませんが、あまり深く議論するつもりでは考えていません。
> 一つだけ傍証的に例をあげてみると、
> 「返り値はありません」という表現は自然ですが、
> 「終了コードはありません」という表現は不自然に感じます。
> ここに両者の違い、用法の違いのヒントがある印象です。
> 原著者の用法どおりの対訳とするのが自然に思います。
>
> 提案:
> "EXIT CODES" の対訳は「返り値」でなく「終了コード」とする。

「終了コード」がいいと思います。
同様のものに EXIT STATUS がありますが、
これも「終了ステータス」になると思います。
これらは両方ともコマンドの man pages で使われているはずで、
その場合に返り値は適切ではないというのは同意します。

LDP man-pages man-pages.7 でも、以下のような記載があり、
使い分けられています。翻訳でも使い分けるのに賛成です。

  EXIT STATUS      [Normally only in Sections 1, 8]
  RETURN VALUE     [Normally only in Sections 2, 3]

既存のものをざっと確認しましたが、
EXIT CODES は「終了コード」と「返り値」がありました。
「終了コード」の方が多かったです。
同様に EXIT STATUS については「終了ステータス」「返り値」「終了状態」が
ありました。「終了ステータス」が最多でした。

> 3. HISTORY 履歴 (or 歴史)
>
> 「履歴」はまだわかりますが、「歴史」は大層な表現すぎて
> 不適切に感じます。翻訳の個人的経験からは「開発経緯」とする
> のがピッタリ合うと感じます。
>
> 提案:
> "HISTORY" の訳例として「歴史」は削除する。
> "HISTORY" の訳例として「開発経緯」を追加する。

Yes/No で聞かれれば、No に投票します。

本当に「歴史」の場合があります。いろんな実装での移り変わりを
説明しているのであれば、「歴史」が十分に自然な場合もあります。

例えば、 GNU_findutils/original/man1/locate.1 (JM リポジトリに登録のもの;
たぶん findutils 4.4.2)
では、HISTORY はまさに「歴史」だと思います。
http://linuxjm.osdn.jp/manual/GNU_findutils/original/man1/locate.1
GNU findutils の中での変更だけなら、開発経緯や履歴だと思いますが、
BSD で登場したは「(開発)経緯」というよりは「歴史」に該当すると思います。

20年前の JM 発足時でも「歴史」に近いものもそれなりにありました。
さらに20年たった現在では「歴史」に該当するものもさらに増えていると思います。

> 4. NOTE 注意
>
> "NOTE" を「注意」と訳すことは、翻訳の個人的経験からは
> 不適切と思い続けている訳語です。
>
> この手の英単語は、
> DANGER,WARNING,CAUTION,NOTICE,NOTE,INFO など、注意喚起
> を促す類似語のうちの1つとして捉えられます。
> precautionary statement と呼ぶ言い方があるようです。
> docbook-xml や sphinx では admonition というカテゴリー
> のもとに分類されています。
>
> Windows において notepad はメモ帳と訳されています。
> "NOTE" は「メモ」と訳すのが適当と捉えています。
>
> もし仮に "CAUTION" が併記された場合に、こちらこそ
> 「注意」と訳しそうで、そうなると注意のレベルは、
> どちらが上か下かで迷います(翻訳者の立場)。
> (読者にとっては双方とも注意と訳されると、そこに違い
>  があることは識別できません。)
>
> "NOTE" には注意を要するレベルの文面は書かれず、ちょっと
> 書き留めておく補記情報などが書かれるものと個人的には
> 解釈しています。(どこかにこれを定義する規約などがあれば
> よいのですが。)
>
> 提案:
> "NOTE" の対訳は「注意」ではなく「メモ」とする。

「メモ」はあまりに軽すぎると感じました。
実際の利用例を見ると、細かな差異や補足情報が書かれていることが多く、
日本語の「メモ」が与える印象よりは「注意」に近いことが多いです。
(少なくとも LDP man-pages においては、そう思います。)

「注意」をとにかく見直したいという場合、
代替案としては「備考」「注記」「補足」などを候補として挙げておきます。
#どれか選べと言われれば「注記」に一票入れます。

> 5. PARAMETERS 引き数
>
> ARGUMENTS と同じ観点で「引き数」でなく「引数」とする案が
> ここにも適用されますが、それよりむしろ「パラメータ」でよい
> と思います。(本心は本当は「パラメーター」..長音付き)
>
> (厳密に調べていませんが) argument と parameter には明確な
> 違いが存在すると思っていて、argument は必須の引数のこと
> (たとえばパス指定のように、ファイル実体や文字列実体を表すもの)、
> parameter は任意のオプション指定(-I dir とか、処理制御方法
> を切り替えて/付け加えて利用するもの)のこと、と感じています。

上記の認識に関しては、英語でも required argument, optional argument いう言い方は
普通に出てくるので、必須、省略可能で使い分けられていることは思いません。

私のイメージでは、どちらかというと、
argument は、関数やコマンドラインで渡されるもの、
parameter は、渡された値そのもの、です。
例えば、コマンドラインオプションで -o <file> だと、
<file> やその値を格納した変数を parameter と呼ぶイメージです。
英語のドキュメントを読んでいても、両者の区別は非常に曖昧で
適当に使われていることも多いです。

なお、私は python の用語の使い方にかなり影響されている点は否定しません。
例えば https://www.python.org/dev/peps/pep-3102/ です。
この文書で parameter を argument に読み替えると違和感がある箇所は多いです。

>
> 提案:
> "PARAMETERS" の対訳は「引き数」でなく「パラメータ」とする
> (上記が否であった場合、「引き数」でなく「引数」とする)

理由付けには納得しませんが、提案には賛成です。

対訳としては argument と parameter を区別した方がよい、
区別する場合、それぞれ「引数」と「パラメータ(ー)」が妥当な選択に思える、
というのが賛成の理由です。

以上です。


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