[JM:02050] Re: [POST: DP] util-linux, setterm の引き継ぎ

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IIJIMA Hiromitsu delmo****@denno*****
2021年 2月 19日 (金) 23:48:23 JST


こんにちは。「でるもんた・いいじま」です。
長らくROMってましたが、分かりそうなので。

> 長南です。
> 見直しをしていると、今まで気が付かなかった問題に気が付くものです
> (それで、切りがなくなるんですけどね)。
>     The various color options may be set independently, at least
>     on virtual consoles,  though  the  results of setting
>     multiple modes (for example, --underline and --half-bright)
>     are hardware-dependent.
> 
>     様々なカラーオプションが、少なくとも仮想コンソールでは、それぞれ独立して
>     設定できる。しかし、マルチモード (たとえば、--underline や --half-bright)
>     の設定の結果は、ハードウェア次第である。
> 
> 前の翻訳をほぼ踏襲した訳です。マルチモードというのは、一つのオプションの
> 指定で、複数の特性を同時に設定にするようになっていることだろうぐらいに考えて、
> わかったつもりでいたのですが、見直しをしているうちに違うんじゃないかと
> 思えてきました。multiple modes って何なんでしょう。

私は上記の「複数の特性を同時に設定する」で合っていると考えます。
「modes」が複数形になっている、というのがその大きな根拠です。

たとえば、こんなコマンド
$ perl -e 'print "\x1b[31;46m\n"'
を打ってみると、手元の環境では「x86_64版FreeBSDのコンソール」「PuTTY」で、
前景色と背景色を別々に指定できました。ぜひお手元でもご確認ください。

一方、PC-9801/9821のコンソールには文字色と独立に背景色を指定する機能がなく、
「黒背景+8色の文字」と「黒文字+8色の背景」しか表示できません。
このエスケープシーケンスを98x1のコンソールに食わせた場合、31(文字=赤)と
指定してあってもその後に46(背景=シアン)があるので、文字は黒になって
しまいます。

#こちらは98x1エミュレータ「Neko Project II」と何か適当なMS-DOS環境の
#組み合わせで確認できます。
#MS-DOS環境は、私の場合は手元にNEC純正DOSカーネルを入れたフロッピーが
#奇跡的に残っていたのでそれにしましたが、入手不能ならFreeDOSあたりでも
#大丈夫なはずです。
#Neko Project IIの代わりにT98-NEXTを使えばLinuxやFreeBSDもたぶん
#動かせると思いますが、色々と厄介なことがありそうです。

この実験結果を踏まえて、さらに、パラグラフの前段の「それぞれ独立に設定
できるが、ただし、」という言い回しも考慮すると、「無謀な組み合わせを
指定してもエラーにはならないけど、意図した通りの表示が実現するかどうかは
保証の限りではないよ」という意味に確定するように思えます。

というわけで、次のような訳文になります。

  しかし、複数のモードを同時に設定した場合 (たとえば、--underline と
  --half-bright を同時に) の結果は、ハードウェア依存である。

この組み合わせの場合だと、下線だけ高輝度になるかもしれないし、
下線を優先するあまり文字の減光が実現しないかもしれないし、逆に減光を
優先するあまり下線が消えるかもしれない、そういうことだと思います。

#余談ですが、dependentの訳語は個人的には「依存」で統一したいところです。
#たとえばパッケージ管理界隈での「dependency」は「依存関係」としか
#訳せないわけで、それで統一するのがスジかなと。

> 一つは、multiple は、パラグラフの冒頭にある various を言い換えただけだ
> という解釈。COD の multiple の説明に "many and various" とあるのが
> 拠り所です。modes は、様々なオプションによって変更される端末の状態のこと
> と考えます。

それだと、multiple modes ではなく some certain modes のように書くのが
自然なように思います。さらに、for example の中身も --underline 「or」
--half-bright とならないとおかしいです。

> もう一つの解釈は、上の訳注にもあるように、実現様態と言うか、オプション指定の
> 結果が単一でないものを multiple modes と言っているのではないかということ。

こちらでも全く同様のことが言えます。そもそも multiple という単語自体に
「複数のものが同時に存在している」という強いニュアンスがあります。
文法的にも、一度に一つなら ×multiple ◯some ですし、×and ◯or です。

こちらの場合、私なら the modes with ambiguities(あるいはuncertainty)と
したいところです。

-- 
飯嶋 浩光 @ PC <delmo****@denno*****>



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