<STATUS> stat: DP ppkg: util-linux (2.36) page: renice.1 date: 2020/12/08 mail: cyoic****@maple***** name: Chonan Yoichi </STATUS> logger, wall, renice というのは変な選択だと思われるでしょうが、 debian は、util-linux からこの三つ、それに script 関係のコマンドを 取り出して、bsdutils という小さなパッケージを作っています。なお、 util-linux というパッケージもあり、別系統の BSD 系コマンドを集めた bsdmainutils というパッケージもあります。私は debian ユーザですから、 debian で使っている util-linux コマンドの manpage は、できるだけ訳したい。 そこで、ちょっと贔屓をしました。 このマニュアルについては、NOTE セクションのこの部分がよくわかりません。 Users other than the superuser may only alter the priority of processes they own. Furthermore, an unprivileged user can only increase the "nice value" (i.e., choose a lower priority) and such changes are irreversible unless (since Linux 2.6.12) the user has a suitable "nice" resource limit (see ulimit(1p) and getrlimit(2)). まず、後半の "and such changes are irreversible unless ..." ですが、「(Linux 2.6.12 以来) ユーザが適切な "nice" リソースリミットを 持っていないかぎり、そうした変更を元に戻すことが出来ない」と訳すのが自然でしょう。 でも、それでは、内容的におかしくなってしまいます。なぜなら、「一般ユーザは 優先度を下げることは出来ても、上げることは出来ない」のなら、「一度下げた 優先度を元に戻せない」のも当然なわけですし、そういう仕様は、Linux 2.6.12 以後 のことではなく、renice が作られた最初からでしょうから。ですから、「(Linux 2.6.12 以来)、... 変更を元に戻すことが出来ない」では、間違った説明になって しまうと思います。「(Linux 2.6.12 以来)」がなければ、まったく問題ないのですが。 これは、Linux 2.6.12 以来、特殊な条件のもとでは、変更を元に戻せるように なった、と言っているのではないでしょうか。つまり、 そうした変更を元に戻すことも出来ない。ただし、(Linux 2.6.12 以降では) そのユーザが適切な "nice" リソースリミットを持っていれば、そのかぎりではない。 ところで、unless 以下はどこに掛かっているんでしょう。"such changes are irreversible" だけですか。それとも、"an unprivileged user can only increase ..." から "such changes are irreversible" までの全体でしょうか。 "such changes are irreversible" だけに掛かっていると考えた方が、 素直な読み方だと思います。しかし、「優先度を下げることは出来ても、上げることは 出来ない」のに、ある条件があれば「一度下げた優先度を元に戻すことはできる」 というのは、何だか矛盾しています (その条件があれば、いつでも下げた優先度を 上げられるだろうに。元に戻すのは特別なケースなのか)。 それなら、後半を代表的な例を取り上げた強調と見て、「優先度を下げることは出来ても、 上げることは出来ない。だから、一度下げた優先度を元に戻すことすら出来ない。 ただし、Linux 2.6.12 以降なら、ある条件があれば、そういうこともできる」と、 全体に掛かると考えた方がよいのでしょうか。後者の解釈で訳すと、たとえば、 次のようになります。 スーパーユーザ以外のユーザが変更できるのは、自分が所有するプロセスの 優先度だけである。 それだけではない。非特権ユーザは、“nice 値” を増やす (言い換えれば、優先度を下げる) ことしかできず、そうした変更を元に戻すことすら できない。 ただし、(Linux 2.6.12 以降では) ユーザが、適切な “nice” リソースリミットを持っている場合は、そのかぎりではない。(ulimit(1p), getrlimit(2) を参照)。 まあ、この訳も、掛かり方が曖昧だと言えば、曖昧です。また、私が何か見落としか 勘違いをしているかもしれません。お気づきになったら、お教えください。 それから、ユーザの「"nice" リソースリミット」の設定というのは、どこでどうやるので しょうか。それがわかれば、上の文章の解釈の役に立つのではないかと思うのですが。 添付ファイルの構成を書いておきます。 $ tar tzf renice-2.36.tar.gz renice-2.36/ renice-2.36/po4a/ renice-2.36/po4a/man1/ renice-2.36/po4a/man1/renice.po renice-2.36/po4a/man1/renice.patch renice-2.36/original/ renice-2.36/original/man1/ renice-2.36/original/man1/renice.1 renice-2.36/draft/ renice-2.36/draft/man1/ renice-2.36/draft/man1/renice.1 -- 長南洋一 -------------- next part -------------- テキスト形式以外の添付ファイルを保管しました... ファイル名: renice-2.36.tar.gz 型: application/octet-stream サイズ: 5927 バイト 説明: 無し URL: <https://lists.osdn.me/mailman/archives/linuxjm-discuss/attachments/20201209/3beb1682/attachment.obj>