長南洋一
cyoic****@maple*****
2016年 2月 21日 (日) 09:59:05 JST
長南です。 元木さんは、COMMAND.x ファイルだけでなく、本文も含めて、coreutils の man page を 8.25 にバージョンアップしてくださったのですね。 お疲れさまです。 info を訳しているときに気になったことがいくつかありました。 ほとんどは忘れてしまったのですが、憶えていることが三つほど あるので、書いておきます。 1) stty.1 NAME stty - change and print terminal line settings 名前 stty - 端末の行設定の変更や表示を行う この termianl line は「端末回線、端末ライン」ではないでしょうか。 2) ptx.1 NAME ptx - produce a permuted index of file contents DESCRIPTION Output a permuted index, including context, of the words in the input files. 名前 ptx - ファイルの内容の整列した索引を生成する 説明 入力ファイルに含まれる単語の索引を並べ替え、前後を含めて 出力します。 permute は「順序を変える」ということですから (permutation なら 「順列」)、「整列した索引」はちょっと ...。索引は本来、整列した ものですし。 permuted index は、「パミューテド・インデックス、順列インデックス、 順列索引」などと訳すところだと思います。順列と言っても円順列、 それも比喩のような言葉の使い方ですから、「順列索引」と訳すと、 読者がいわゆる「順列・組み合わせ」を連想して、かえって混乱する のではないかと思ったので、私はあえて「パミューテド」とカタカナを 選びました。いづれにせよ、注がないとわからないところですが、 man page の文章は、基本的に --help の出力と同文ですから、 長い訳注は入れにくいでしょうね。私の場合は、ものすごく長い訳注に なってしまいました。 GNU の ptx は日本語に対応していませんから (info には、Latin-1 文字セットを対象にしていると書いてあります)、日本では使う人が ほとんどいないコマンドでしょう。もし、日本語に対応していたら、 歌集や句集の便利な索引が作れそうですけれど。 3) realpath.1 -L, --logical resolve '..' components before symlinks -P, --physical resolve symlinks as encountered (default) -L, --logical シンボリックリンクの前にある '..' 要素を展開する -P, --physical 遭遇したシンボリックリンクを展開する (デフォルト) 説明の原文が簡潔すぎて、意味を取りにくいところです。訳し方は 難しいのですが、直訳的に訳すと、「シンボリックリンクを 解決する前に '..' という要素を解決する」「シンボリックリンクを 出会った位置で解決する」ということだと思います (そう訳しても、 後者は意味がよく分からないかもしれませんが)。 info では -L と -P の説明の原文は、こんなふうになっています。 '-L' '--logical' Symbolic links are resolved in the specified file names, but they are resolved after any subsequent '..' components are processed. '-P' '--physical' Symbolic links are resolved in the specified file names, and they are resolved before any subsequent '..' components are processed. This is the default mode of operation. かなり分かりにくい話なので、info の訳には訳注を付けておきました。 ご覧になってみてください。 -- 長南洋一