長南洋一
cyoic****@maple*****
2011年 5月 12日 (木) 21:13:08 JST
長南です。 赤星さんのメールより [JM:00272] > > 発想を変えてみました。若干、原文の流れと異なってしまいますがオプショ > ンの説明に入る前に > EXECUTABLE とは何かを説明し、のちの説明では EXECUTABLE を省きました。 ここですね。 > .\"O .SH DESCRIPTION > .\"O `help2man' generates a man page out of `\-\-help' and `\-\--version' output. > .SH 説明 > `help2man' は `\-\-help' および `\-\-version' の出力を元にマニュアルペー > ジを生成する。 > .PP > 引数 EXECUTABLE には、マニュアル作成の対象とするコマンドを指定する。 「引数 EXECUTABLE には、マニュアル作成の対象とするコマンドを指定する」 をここに追加なさったのですね。 確かにこれでわかりやすくなります。この文は、原文の著者が書いて おくべきことだったと思いますし、この位置に置くのが最適でしょう (行がえは、いらないのではないかと思いますが)。 と、持ち上げておいて何なのですが、これは、翻訳の禁じ手だと思います。 原文にないことを書き加えたら、それはもう翻訳がではありません。 たとえ、善意でやったことであれ、それが誰にとっても利益になること であれ、著作権の侵害だと言われても仕方のないことです。 補足訳というのは、原文が日本の読者にとって説明不足なとき、それを 必要最小限補って、対応する訳文を作ることです。あるいは、原文では 表に出ていないことを、読者の理解の助けになるように、訳文で表に 出すことです (少なくとも訳者がそう考えてやることです)。それと、 このように原文にまったく存在しない一文を挿入することでは違います。 微妙で、かなり主観的ですが (だから、これも補足訳だと考える人も いるでしょうが)、わたしはやはり違うと思います。 「禁じ手だ」と言いましたが、ちょっと大げさでした。やってはいけない と言っているのではないのです。本当に必要だと思うなら、やればよいと 思います。「読者にわかるように」というのは、原文の尊重と同じくらい、 翻訳にとって大事なことですから。わたしが言っているのは、「原文にない 文章を加筆したり、訳文で事実上原文を変更したりするのは、重いことだ」、 そう覚悟して、おやりくださいということです。実のところ、わたしも find の man の翻訳で、それに近いことをやっています。 もっと穏当な行き方もあります。 一つは、原文の著者の許可を取ることです。そして、もう一つは、 挿入する文を訳注にすること。「(訳注: ... )」とすれば、はっきり しますが、「訳注」と入れるのがうるさい場合には、「( ... )」と カッコで囲むだけでもよいかもしれません。とにかく、原文の翻訳と 訳者による追加説明を区別できるようにしておけば、よいと思います。 マニュアルの翻訳は、文芸作品の翻訳とは違う。原文にとらわれずに、 実用になる日本語のマニュアルを作ればよいのだ、という考え方も あります。わたしも出来の悪い man ページの原文を見たときなど、 そういう考え方に惹かれないわけではありません。でも、それをやるなら、 翻訳という看板を下ろさなければならないでしょう。 ついでに書いておきます。 細かいことですが、行頭の空白が増えているところがあります。 roff の原稿に対して「diff 前回 今回」をやってみたところでは、 次の五ヶ所でした。po ファイルでは違いが出ないのかもしれませんが。 146,147c148,149 < [セクション] < 本文 --- > [セクション] > 本文 149,150c151,152 < /パターン/ < 本文 --- > /パターン/ > 本文 207,218c209,220 < 名前 < 書式 < 説明 < オプション < 環境変数 < ファイル < 例 < \fIその他\fR < 作者 < バグの報告 < 著作権 < 関連項目 --- > 名前 > 書式 > 説明 > オプション > 環境変数 > ファイル > 例 > \fIその他\fR > 作者 > バグの報告 > 著作権 > 関連項目 235c237 < (もっとも、どうしても必要ならば、前者については、 --- > (もっとも、どうしても必要ならば、前者については、 254c256 < ftp://ftp.gnu.org/gnu/help2man/ --- > ftp://ftp.gnu.org/gnu/help2man/ -- 長南洋一