PowerEdge 2950Ⅲを例にDebian GNU/Linux 4.0r3(etch)のインストール方法を紹介します。Debianの導入で特別な作業は3点になります。
とくに作業はありません。
ノートPC側ではインストール元イメージをダウンロードしておきます。DebianをインストールするためのCDイメージは、以下のURLから入手できます。
ここでは、追加パッケージをダウンロードして導入していく、debian-40r3-amd64-CD-1.isoを使っていきます。
まずはコントロールポートとノートPCをEthernetで接続し、Webブラウザ(Windows+Internet Explorer)からDRACにアクセスします(参考:DRAC5へのログイン)。
DRACにログインしたら、ダウンロードしておいたDebianのCDイメージ(debian-40r3-amd64-CD-1.iso)を仮想CDドライブにマウントします。
DRACから電源を入れると、仮想CDドライブから起動し、Debianインストーラの最初の画面が表示されます。
最初の画面では単にEnterキーを押し、Debianのインストールを進めていきます(参考:Debian GNU/Linux インストールガイド)。
BIOSのデフォルト設定では仮想CDドライブのほうが優先になっていますが、ハードディスクなどから起動してしまう場合は、BIOSの起動設定(「Boot Sequence」)が間違っている可能性があります。また、DRACの仮想CDドライブ設定が正しいか確認します。起動時にF11キーを押すことで、明示的に起動デバイスを選ぶこともできます。
言語、キーボードを設定し、追加モジュールがインストールされ、ネットワーク設定画面までたどり着いたら、Alt+F2キーを押し、シェルが使えるコンソールに切り替えます。
Enterキーを押すとシェルが使えるようになるので、以下のコマンドを実行していきます。
umount /cdrom modprobe -r usb_storage modprobe usb_storage modprobe -r sd_mod modprobe sd_mod mount /dev/sr0 /cdrom
これで、PERCのディスクはsdaに、DRACの仮想ドライブはsdbとして認識された状態になります。Alt+F1キーを押してインストーラの画面に戻ります。
Broadcom NetXtreme II搭載機にはネットワークポートが2つありますが、Debian 4.0r3のカーネルでは認識順番(デバイス名の番号)と筐体表面の表記番号とが異なります。
1番に外部接続用のケーブルを接続している場合は、DHCPの認識やIPアドレスの設定などでeth1を選択してインストール作業を進め、終了後にこの問題を修正します。
インストール時における特別な作業は以上です。あとは通常どおりDebianのインストールを進めていきます(参考:Debian GNU/Linux インストールガイド)。
再起動時にはDRACの画面から仮想CDドライブのマウント設定を解除しておきます。
インストール後、通常起動したら、root権限でネットワークデバイスポートの設定を変更します。変更箇所は2点です。
/etc/udev/rules.d/z25_persistent-net.rulesにネットワークデバイスの認識情報が記載されているので、ここを修正します。eth1となっている箇所をeth0に、eth0をeth1に修正します。
# PCI device 0x14e4:0x164c (bnx2) SUBSYSTEM=="net", DRIVERS=="?*", ATTRS{address}=="00:1c:23:d9:82:b0", NAME="eth1" # PCI device 0x14e4:0x164c (bnx2) SUBSYSTEM=="net", DRIVERS=="?*", ATTRS{address}=="00:1c:23:d9:82:b2", NAME="eth0"
# PCI device 0x14e4:0x164c (bnx2) SUBSYSTEM=="net", DRIVERS=="?*", ATTRS{address}=="00:1c:23:d9:82:b0", NAME="eth0" # PCI device 0x14e4:0x164c (bnx2) SUBSYSTEM=="net", DRIVERS=="?*", ATTRS{address}=="00:1c:23:d9:82:b2", NAME="eth1"
デバイス名の変更に伴い、ネットワーク設定のほうも対応するように修正しておく必要があります。上記同様に「eth1」を「eth0」に数字を変更するだけです。以下は、1番のネットワークポートにケーブルを接続し、DHCPで設定していた例です。
# This file describes the network interfaces available on your system # and how to activate them. For more information, see interfaces(5). # The loopback network interface auto lo iface lo inet loopback # The primary network interface allow-hotplug eth1 iface eth1 inet dhcp
# This file describes the network interfaces available on your system # and how to activate them. For more information, see interfaces(5). # The loopback network interface auto lo iface lo inet loopback # The primary network interface allow-hotplug eth0 iface eth0 inet dhcp
以上の作業が終了したら、再起動して正しく割り当てられたか確認しておくといいでしょう。なお、この作業でもdmesg上(モジュールロード時)は逆順になったままですが、udev設定によって、その後に変更される形になります。